「亀」は神霊とされています。《礼統》によると、「上圓法天,下方法地,背上有盤,法丘山,玄文交錯,以成列宿,五光照若,玄錦文運。」と記されており、亀は天地星辰人文の象徴というだけでなく、古くから竜・鳳凰・麒麟とならんで中国四大霊獣と呼ばれており、そのなかでも「亀」実在する唯一の霊物であります。
「亀」は古くから長寿の動物で経験豊富なため、未来を予言する霊力を持っている人々に愛されており、養生・占い・神話・伝説などあらゆる場面で需要な役割を担っています。
亀は美しく硬い甲羅で守られており、もし神のように霊妙な攻力で身を護るパワーがあれば、さらに人々から崇められます。亀は動作が遅く愚かな部分がありますが、忍耐力は十分あり、ウサギと亀のかけっこでも見事勝利し、志があれば成功するということを伝えること最も適した物語として今でも愛されています。
亀はかわいい動物として、漫画やアニメの主人公になることも多いです。しかし、資源の不適切な利用や過度な売買などの要因により、絶滅の危機に瀕していることも事実です。
今回の展示では、松山奉天宮の現委員会主任である陳博貞氏が二十年以上にも渡り世界中から収集した亀に関する貴重な文物の数々を展示しております。この展示を通じて、亀の環境や生態について関心を向け、ともに自然の資源を大切にする心が皆さんにも養われていくことを期待しております。今日のデジタル時代では、デジタルマルチメディアインタラクティブデバイスを通じて亀が登場する物語や伝説について楽しみながら知ることができます。
ぜひこの機会に、霊亀の友人阿魯と一緒に天体をくぐり抜けて星を探索し、海底の竜宮城に潜入して海底の世界の珍しい物や伝説の神亀を見つける旅に出ましょう!
主催:松山奉天宮
協賛:台北市信義区公所
場所:松山奉天宮香客大楼地下二階の天公芸廊にて開催
図録:下載
展示内容:
展示物について
好きだから、コレクションする。もっと多くの人に知ってもらいたいからコレクションを大公開!
今回の展示物の数々は、松山奉天宮の現委員会主任である陳博貞氏からお借りしているもので、2,000点以上のコレクションから厳選して展示しております。
陳博貞氏は亀をこよなく愛しています。亀を育てることはもちろん、様々な種類の亀を題材とした芸術品もまた彼を夢中にさせており、過去二十年間の間に陳博貞氏が行う事業が世界へと拡大していくにつれて世界各地からも文物を収集するようになりました。
台湾以外にも、アメリカ、南アフリカ、日本、韓国、ベトナム、中国から収集した文物は、友人や親戚からの贈り物であったり、高価で高品質なものであったり、プチプラなものであったり、可愛らしい、面白いものであったりします。それぞれの文物には陳博貞氏の手にやって来るまでにそれぞれのストーリーがあり、お気に入りの度合いに差はなく、すべてのコレクションがまるで自分の子どものように可愛いと陳博貞氏は述べています。
コレクションの素材も木彫りや石彫り、玉彫刻、鉄や陶器、磁器で制作されたものなど多種多様です。また、宝塔龍亀、元宝龍亀、帯蓋龍亀など様々なタイプの龍亀が収集され、「百年好合」、「多子多孫」、「亀鶴延年」、「天倫和樂意象」、数々の興味深い伝説などそれぞれ異なる意味合いが含まれていてまさに素晴らしいコレクションの数々です。
百亀図について
清代の経学者であり文字学者であった段玉裁が「龜,舊也,即久字也。(亀という字は古く、久しい。)」という言葉を残し、前漢の学者でもあり政治家でもあった劉向が「龜之言久……龜千歳而靈……以其長久,故能辨吉凶。(亀の言葉は長く……亀は千年の魂があり……長寿であるため、吉凶を区別することができる。)」という言葉を残しているように、亀ははるか昔から大変縁起の良い物の象徴であったことが分かります。人々は百寿、百福、百祿図を縁起物や祝い物として扱いました。杜武雄氏は今回の展覧会のために多くの時間と労力を費やし、進化と面白味を追求することに専念しました。杜武雄氏の書は暖かく、豊かで活気に満ちています。丹精込めて描いた「百亀図」には、特別展:「神亀‧松山奉天宮遊」の成功を祈念する思いが込められています。
烏亀画について
「烏亀画」は松山奉天宮水墨画クラスの生徒たちによる作品で、お祝いの意味を込めて縁起の良い「亀」がテーマとなっています。水墨を素材として各自想像力を発揮して作品を創作しました。田美秋師範の指導のもと、長い間水墨画の世界にどっぷりはまっている生徒たちの絵画技術は素晴らしく、台湾の連展ではすでに作品が10回以上出品されています。また、台湾のみならず、北京や河北省の石家荘市、遷安、河北省北西部の張家口市、天津など中国の都市からも招待を受けて出品して賞賛を受けました。今回展示している50点以上の作品はどれも生徒たちが魂を込めて創作した傑作であり、亀にまつわる物語や伝説、生活様式や生態などを非常にエレガントで面白味ある表現方法で、亀の愛らしさを鮮やかに描いています。